基調講演・招待講演_第3回NGS

基調講演

タイトル 「1細胞RNA-Seqから細胞のゆらぎを理解する」
講演者 二階堂 愛
(理化学研究所情報基盤センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット・ユニットリーダー)
座長 渡辺 亮
(京都大学iPS細胞研究所CiRAゲノム・エピゲノム解析コアファシリティ・特定拠点助教)
日時 2013/9/4(水) 9:30-10:20 会場 A
要旨 生命は「ゆらぎ」を上手に利用して、人工機械にない巧みな「仕組み」を達成している。生命がゆらぎを利用している例として、ミオシン分子の移動や、脳の情報処理、細胞内のシグナル伝達などがあり、生命現象の様々な階層に渡って報告されてきた。近年、細胞集団のなかにある「細胞状態のゆらぎ」が様々な研究者から報告されている。特に、胚性幹細胞やiPS細胞、造血幹細胞など、再生・分化する能力を持つ細胞である。これらの細胞が持つ分化能と細胞状態のゆらぎの関係を理解するためには、細胞状態を、集団の平均値として観察するのではなく、1細胞ごとに計測しなければならない。そこで、我々は1細胞の全転写産物をDNAシーケンサーで計測する技術、Quartz-Seqを開発した。本講演では、我々の手法が、細胞のゆらぎをどの程度捉えることができるのかを示し、細胞が持つ「ゆらぎの源」について考えてみたい。

招待講演

タイトル 「次世代シーケンサーがもたらした疾患ゲノム解析のパラダイムシフト」
講演者 松本 直通
(横浜市立大学大学院医学研究科環境分子医科学(遺伝学)・教授)
座長 神田 将和
(埼玉医科大学ゲノム医学研究センタートランスレーショナルリサーチ部門・助教)
日時 2013/9/4(水) 10:30-11:30 会場 A
要旨 2005年に、キャピラリシー型シーケンサーの出力を遥かに凌駕する次世代シーケンサー(NGS)が登場した。以来、複数のNGSプラットフォームが開発され、かつそれぞれが疾患ゲノム解析に耐えうる性能を獲得、2008年には初めてNGSによるパーソナルゲノム解析が行われた。さらに2009年にはターゲットキャプチャー法とNGS解析を用いたWhole
Exome Sequecing (WES)で遺伝子異常同定が可能であることがFreeman-Sheldon症候群を例に示された。そして2013年現在WESは遺伝性疾患責任遺伝子単離の第一選択技術と成っている。NGS以前の疾患責任遺伝子探索には、症例の集積する比較的大きな家系や染色体構造異常合併例など、特殊な条件を有する検体群が必要不可欠であった。しかし、NGS以降、とっかかりがなく直接の研究対象と成り得なかった(特殊な条件を有さない)孤発例が格好の研究対象となり、遺伝性疾患解析研究に完全なパラダイムシフトが起こった。我々も2009年初頭からNGSを導入、WESを用いて複数の遺伝性疾患で責任遺伝子を同定するに至っている。本講演では、我々の取り組みの現状を紹介する。